出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/25 21:36:28」(JST)
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ブラックライト(英語: black light)とは、わずかに眼で見える長波長の紫外線を放射する電灯である。ブラックライトの光自体は人間の目にほとんど見えないが、ブラックライトを当てた物体は、その中に含まれる蛍光体だけが発光するため、非破壊検査に使われるほか、視覚効果の一種としても利用される。
蛍光管を使うブラックライトは、使用される蛍光体が異なる以外は通常の蛍光灯と同じように製造される。また、通常の蛍光灯では蛍光管のガラスは白色だが、ブラックライトでは必要に応じてウッドガラス(英語版)と呼ばれる深い青紫のガラスを用いて波長400nm以上の可視光線をカットする。誘蛾灯のように可視光線も必要な場合、ウッドガラスは使わない。
蛍光物質にはユウロピウムをドープさせたフッ化ホウ素酸ストロンチウム(SrB4O7F:Eu2+、ピーク波長は368-371nm)か、鉛をドープさせたケイ化バリウム(BaSi2O5:Pb+、ピーク波長350-353nm)がよく用いられる。ウッドのガラスを用いたブラックライトの場合、ピーク波長は365nmになる。
また、単純に白熱電球のバルブにウッドガラスを用いただけでも、簡易ブラックライトになる。これは紫外線を得るため、最初期に実際に使われていた方法である。しかしながら、白熱電球のフィラメントから放出される光の大部分は、赤外線から可視光線であり、その効率は極端に悪い。また、電力のほとんどが熱になってしまうため、電球が過熱して危険であるという難点もある。
これら以外に、紫外線発光ダイオードを用いる方法もある。
ブラックライトは屋内における視覚効果のほかに、医学、生物学、鉱物学および美術品の鑑定の分野でも利用されている。細菌には蛍光物質を持つ者があり、ブラックライトを当てることにより、それらの菌の繁殖を確認できる。この性質を利用して、白癬などの皮膚病の一種は、ブラックライトを使った診断が可能になっている。また、ブラックライトは紙幣や骨董品の鑑定にも使われる。多くの紙幣には偽札を防止するため、紫外線蛍光インクを使った模様が描かれているからである。
ブラックライトの蛍光灯
ブラックライトの電球
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